相続土地国庫帰属制度がスタートします
いよいよ相続土地国庫帰属制度がスタートするようですね。
よくいらない売れない土地についての処分について相談を受けるので司法書士として当然知っておかなければならない制度です。
相続土地国庫帰属制度とは？
簡単に言いますと相続（相続人による遺贈も含む）した土地を国が引き取る制度です。
相続土地国庫帰属制度はいつからスタート？
令和５年４月２７日からスタートします。
相続土地国庫帰属制度の要件
申請ができる人
相続又は遺贈（相続人による遺贈に限る）により土地の所有権を取得した人
申請ができない土地
・建物の存する土地
・担保権が設定されている土地
・使用収益権が設定されている土地
・現在通路として使用されている土地
・墓地内の土地
・境内地
・水道用地等
・汚染されている土地
・争いがある土地
帰属の承認ができない土地
通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの等です。
相続土地国庫帰属制度の流れ
１．法務局での事前相談
国に引き渡したい土地を管轄する法務局の本局で対面相談及び電話相談の予約をします。
電話：011-709-2311 札幌法務局（本局）：札幌法務局 (moj.go.jp)
２．申請書の作成及び提出
相続又は遺贈により土地を取得した相続人が、申請書に審査手数料分の収入印紙を貼って土地を管轄する法務局の本局に提出します。
３．要件審査
法務局において提出された書面を審査し、申請された土地に出向いて実地調査をします。
４．承認、不承認の通知
承認、不承認を申請者に通知
５．負担金の納付
承認及び負担金の通知を受取後、３０日以内に負担金を納付します。
６．国庫に帰属
負担金を納付した時点で土地の所有権が国に移転します。
相続土地国庫帰属制度の費用について
審査手数料
土地１筆当たりの審査手数料は未定
負担金
最低２０万円
その他手数料
書類作成を弁護士・司法書士・行政書士に依頼した場合は報酬がかかります。
報酬額は事務所により異なります。
坂本司法書士事務所では札幌市の白石区にある事務所に来ていただける方でしたら２万円（税込み）ぐらいにしようと考えています。
相続土地国庫帰属制度のメリットとデメリット
相続土地国庫帰属制度のメリット
引取先を探す手間が省ける。
通常この相続土地国庫帰属制度は簡単に売却できない土地が対象になると思うので引取先を探さなくてもよいということはメリットだと思います。
相続土地国庫帰属制度のデメリット
①審査手数料や負担金を支払わなければならない。
通常、土地は資産であり、価値があるものなのに資産を失って審査手数料や負担金を支払わなければならないのはデメリットだと思います。
②要件を満たさないと引き取ってもらえないリスクがあります。
要件を満たさないと引き取ってもらえない制度なので最悪、法務局での事前相談、申請書の作成及び提出、要件審査の審査手数料を支払っても国に帰属してもらえないというリスクがあります。
相続土地国庫帰属制度の司法書士としての感想
相続登記が義務化されるので、それに合わせて、いらない土地を放棄する制度ができるとは聞いてましたが、う～ん、負担金最低２０万円ですか。
親が原野商法で騙されて、どこにあるかもわからない土地の処分で悩んでいる方って意外と多いのですが、その度に相続登記の義務化と一緒に放棄する制度ができる予定です答えていたのですが、高すぎて、この制度を進めることは難しいですよね。
原野商法で騙されて購入した固定資産税も払っていない土地を２０万円払って国に引き取ってもらおうとする方なんているのでしょうか？と正直思います。
固定資産税かかってない土地の維持費なんてゼロでしょうし、相続が発生した場合の所有権移転の登録免許税も固定資産評価証明書があれば登録免許税は非課税です。
司法書士に登記を依頼すると司法書士報酬がかかると思いますが、私の事務所だと他の不動産の相続登記と一緒に依頼してもらうとプラス１万円（税込み）でこの前やりました。
固定資産税かかってない土地を２０万円払って国に土地を渡すメリットがあるのでしょうかね？
正直半分の１０万円もらえるんだったら固定資産税かからない土地の贈与を受けたいぐらいです（笑）
